ルキンフォー

心理学・育児・発達障害のことなど学びつつ、ラクになれる生き方を模索中

自己肯定感の低いお母さん

私の子供は2歳児の2月から入園させた。

入園当時は、人見知りはあるものの、順調に馴染んでいると言われてホッとしていた。

しかし、進級した辺りから、様子がおかしくなった。

毎日帰って来ると、机に飛び乗り、奇声を上げて跳ねながら家中走り回るようになった。突然のことで驚き、注意しても聞かないのできつく怒ってしまうことが続いた。

しばらくして、担任の先生から、クラスの集団行動についていけていないという話があった。ストレスの発散だったのかと思い、思いを受け止めようとしたり、担任と面談したりしていたが、6月には全く言葉を発さなくなってしまった。

 

言葉のない子供といるのは苦しかった。

入園前の、思ったことを何でも無邪気に口にしていた頃の口癖を思い出しては、涙が出そうになる。

自己肯定感の高いお母さんは、つらい時期でも子供を信じて見守ることができるという話を聞いたことがある。

保育園に馴染むのも、集団行動に間に合うように動くのも、やるのは子供。子供の問題だ。私が代わりにやってやる訳にはいかない。

そうは理解していたので、気持ちは受け止める、様子も見る。けれど、急かしたり、強要するのはやめよう。私は焦らずに、ゆったり構えていようと思っていた。

 

しかし、休日に一緒にいると、次第に苦しくなってくる。子供を責めたい気持ちがわいてくるのだ。

これは何なのだろうと自問自答して、ようやくわかった。

 

しゃべらない子供を見ていると、何もしてやれない自分に不甲斐なさがわいてくる。同時に、私がダメだから、子供がこんなになってしまったんじゃないか、という思いも激しく出てきた。

つまり、私は自分を責めていたのだ。

自分を責めているだけと苦しいから、自然と攻撃は別のところにも向かう。

この場合は、子供だ。

あなたがしゃべらないからお母さんはこんなに苦しいのよ、どうして話してくれないの、お母さん、こんなに頑張ってるのに、お母さんが悪いって怒ってるから、そんなことをしているの?!

ああ、なるほど、自己肯定感の高いお母さんが特別で素晴らしいんじゃない。

自己肯定感の低いお母さんが、自分を責めながら、子供まで巻き込んで潰していくのか。そんな風に感じた。

 

新たな気付きを得て、何とか気持ちを建て直しながら日々を過ごしているうちに、1月くらいして独り言が出始め、やがて首振りで返事をするようになり、7月の末には会話が成立するようになった。

しかも、以前は、子供の方から一方的に発信することが多かったのが、今では、こちらの話も聞いて返事をしたり、復唱することが増えた。

おかげで、関わりも楽になり、子供を愛しいと感じられるようになってきた。

保育園にも少しずつ馴染んできているようだ。

しゃべらなかった期間はつらかったけど、これまでわかっていながらそのままにしてきた色々な問題と向き合うこともできた。

その辺りはまた日を改めて書くが、悪いことばかりではない経験だったと思う。