ルキンフォー

心理学・育児・発達障害のことなど学びつつ、ラクになれる生き方を模索中

育児の悩み

私の子供は小さいときから、なんとなく育てにくい子だった。

2歳くらいまではなかなか眠らず眠ってもすぐに起きてしまう、歩くようになれば興味のあるものを見つけると立ち止まってしまい1時間動かないこともある、人見知りが強くほかの子がいると集中して遊べない、やり方を教えたり提案しても全く聞かずうまくいかずに怒る、やり始めたことに飽き飽きしても意地でもやめない、おもちゃよりも「物」が好き、家具の高いところに登って家のものを引っ張り出し始める、外に出れば縁石や花壇に登ったりガードの向こう側に出て川を見るのが好き、等々…。

 

機会がある度に、いろいろな人に相談してきたが「子供なんてそんなもの」「保育園へ行けば治る」と言われるばかり。

 

でも、私の中では、いつも納得できない気持ちが残った。

そりゃ、ほかの子だってそういうことはあるだろう。でも、子育て支援室でほかの子を見ていると、明らかに「困る頻度」が違うのだ。ほかのお母さんが10回中3回くらいなら、うちの子は9回くらいの感覚。3倍だ。つまり、ほかのお母さんの3倍、困ったりイライラすることになるということ。

 

そして、私は育児書を読み漁った。母は知識ばかりの頭でっかちだと非難するが、「子供なんてそんなもの」しか言えない周囲の人たちと話しているよりは、少なくとも、様々な可能性をトライアンドエラーで試し続けていくことはできる。

 

 

しかし、大きな変化はないまま、入園することになり、去年のGW明けに、私は担任の先生に呼び出された。

「お子さんは、全く集団についていけません。ほかの子をぼんやり見ているだけで何もしないし、一つ一つ隣について指示を出さないと全く動かないんです」

そのあたりから、コミュニケーションは取りづらいものの、表情豊かによく話していた子供の顔から感情が消え、口数が減り、わけのわからない独り言をとめどなくつぶやくようになった。身の周りのことなど、やらなくてはならないことを話しても素通りするように反応がない。

 

 

こんな状態で、私は昨日書いた内容のカウンセリングを受けた。もともと、義父との悩みを軽くする目的だったのだが、意外にも、子供への対応が180度変わるきっかけになった。

 

私は、子供を食事や風呂の時間に誘うのが苦手だった。うちの子供は、小さいころからおとなしく従うことはほとんどなく、いくら声をかけても、完全にスルーして遊びを続けるのが常だった。

何度か、呼ぶ。やらなきゃいけない理由を説明する。

反応なし。

ここで、私は困り果てる。義理の父がそこにいるだけで苦しくなったころだ。食事が遅くなって、顔を合わせたくない。夫が風呂に先に入って、ずいぶん待っている。そういった理由がじりじりとプレッシャーになってのしかかってくる。

困り果てた私は怒鳴りつける。「早く来なさいって言ってるでしょ!どうして、お母さんを困らせるの!」

近くに誰かがいれば「ホント、困った子!いつもこうなのよ!」と、相手に訴える体で子供を責めた。それが義母だったりすると、十分に助けてくれない義母への恨みも相まって、「私がこんなに大変なのに、あんたは何もしてくれない!」という恨みを込めて、激しく子供を怒った。一時期、義母は、怒る私におびえ切っていた時期があったほどだ。

二人だけで、急を要さない、オムツ替えなどのときは「ちゃんとしない子は、もう知らない!」と言って放っておくこともよくあった。

 

これだけ聞くと、かなりひどい親だが、実は、私はそんなに怒っていたわけではない。

怒る以外の方法がなかったのだ。「叱らない子育て」といったような本を何冊も読み、説明する、頼む、共感する、待つ、といったような方法は考えられる限りやった。それでも子供は動かない。かといって何もしないわけにはいかない。

私の、怒ってやらせる方法が少しずつ子供の心を壊していることなんか、ずっとわかってた。それでも、どうすることもできなかった。

怒っては自分を責め、苦しくてまた子供が嫌いになった。4年も一緒にいるのに、私には子供のオムツ替えもできないと思うたびに、自分なんかが親になってはいけないんじゃなかったのかと人生を振り返り、どこを見ても、選ぶことすら閉ざされていた道を思い返してどこにも行けなかったことに気づき、カウンセリングなど受けずに自殺願望に身を任せていた方がよかったのかと思ったりもする。

そうしている間にも、義父の声が聞こえ、いやだいやだと言いながら、逃げることもできない自分が情けなくて、生きる自信が根こそぎ失われていった。

 

 

しかし、カウンセリングを受けたとたん、あれだけ悩んでいた問題があっさり解決した。

子供にスルーされたとき、その手をつかんで「ほら、やろうね」と促す。それで8割の問題が解決したのだ。

じゃあ、最初からやればよかったじゃないか、と言われそうだが、私にはどうしてもできなかったのだ。

おそらく「わがままを言ってはいけない」というのが、子供に対しても適用されており、きちんと叱って導くという行動を妨げていたのだろう。

実際、無理にやろうとすると(やけになって怒るのは、プチパニック状態なのでちょっと違う。自己嫌悪するのは一緒だけど)、「こんなことしていいのだろうか」という激しい迷いがわき、苦しくなり、後々まで引く自己嫌悪になる。だから、どうしてもできなかった。

残り2割の反発されたときは、共感したり、遊びがひと段落するまで待てば大体解決する。

育児のストレスが大幅に軽減したばかりか、子供のことも初めて好きになれそうな気持になってきた。

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