ルキンフォー

心理学・育児・発達障害のことなど学びつつ、ラクになれる生き方を模索中

義父への悪口

私が引き寄せについて知ったのは、もう10年くらい前だろうか。

ただただ生きることがつらくて、藁にもすがる思いで本を読む毎日だったので、一番最初に読んだ本とかは全く覚えていない。

もしかしたら、自己啓発書を読んでいく中で、似たような考え方が繰り返し出てくる中で、だんだん認識していったのかも知れない。

 

ワクワクして望んでるだけで叶っちゃった、というような話の真偽はわからないが、日々の色々な物事に対する、自分の感情が積もり積もって、人生に対する評価になっていく、というのは理解できる。

例えば、毎日の小さな出来事から不満や不安を感じている人の人生は、不満と不安で満ちたものだろうし、小さな幸せや感謝を感じている人の人生はやっぱり、幸せや感謝の多いものだろう。

そして、後者の方が断然、感じがいいだろうし、付き合ってる人も幸せにするから、周囲に人が集まり、もっと何かをしてあげようという人も増え、結果、幸せな人生になっていくだろう。

 

ということは、こんなことしてたらまずくない?と気づいたとき、私は2年あまりも、毎日のように義父に怒りを抱えていた。

それも、生半可なものではない。

家事をしているとき、運転しているとき、お風呂に入っているとき、寝る前。要するに、一日の中で、他のことに頭を使っていて余計なことを考えることができないとき以外は、いつも脳内を悪口がめぐっていた。

私は、怒りが言葉になるタイプの人間で、エスカレートしてくると、口から独り言になって出てくることも多い。

子供はずっとそれを聞かされていたのだから、可哀想なことをしていた。話せるようになるにつれて、「おはなししないで」などと言っていた時期もあった。

そうしてやりたい気持ちもあったが、当時の私には義父への怒りが強すぎた。まるで乗っ取られたように、義父への怒りが吹き出し、止めることができなくなる。そんな自分に対する自己嫌悪もわき出し、更に苦しい思いをかかえることになってしまう。

 

「まずくない?」どころの話ではない。ものすごく悪い。

というのは、脳は実際に体験したことと、イメージしたことの区別がつかない、という性質があるのだ。

だから、引き寄せでは、あたかも現在の自分が夢をかなえた気分で暮らしていれば、それに見合った生活が引き寄せられてくる、ということが起こるのだが、その理屈で言えば、私は、実際にいじめられていた期間が半年間の義父と会っていた時間のみ、のはずなのに、脳内のイメージを含めると、3年半、朝から晩まで義父にいじめられていたことになる。

これでは、顔も見たくなくなって当然だろう。

 

今では少しはマシなのだが、やはり、義父の声が聞こえたり、姿が見えたりすると、まるで自分の心を守るかのように悪口が言いたくなる。

最近、娘が「ジイ」とか「じいさん」などと言うようになった。私は一切義父のことは呼ばないので、義母の言い方を聞いて覚えたのだろう。

娘は、保育園入園後、全く口を利かなくなり、やがてずっと独り言を言うようになってから、会話ができるまでに戻った。今でも、しばらく独り言を言っているときがある。

もしかしたら、私がずっと独り言の悪口を聞かせてきたことが原因かも知れないと思ったりもする。

 

先日、娘が「じいさんが何々~」「ジイジイ」と連呼していて、それを聞いたとき、反射的に、こんなことを聞かれたら、孫が俺のことを呼んでくれた、とか言い出すかも、という考えが浮かんだ。

私は、義父には産後ずっといじめを受け、育児の邪魔をされていたため、義父が「俺の孫が~」などと言って自慢しているのを見ると、「お前は、私が大変なときに邪魔しかしなかった癖に!」と強い怒りを感じる。

そのときも、頭の中は義父への怒りでいっぱいになり、口から「あいつが悪いんだ」といったようなことが漏れた。娘はそのまま「ジイジイ~」などと言っている。

ああ、つらいなぁ、と思う。どうしてこんな風に、この子は言ってほしくないことを言うんだろう。私がずっと独り言いってたからなのかなぁ。でも、あのときは本当につらかったんだ。毎日毎日苦しくてたまらないのに、誰も聞いてくれなくて、一人で吐き出すくらいしかできなかったのに、今度はこんなことで苦しめられるなんて。

 

けれど、何故か、その日だけはふと思った。

「私だって、独り言いってしまったよね。じゃあ、この子が言うことに文句なんて言えないよ。もしかしたら、この子も聞きたくなくて、こんな風にしているかもだし。よし、ちゃんと話がしたいなら、私が話しかけるようにしよう!」

そして、私は子供に言った。

「今日ね、お母さん、連絡帳に水遊びしていいって書いたよ」

期待なんて全くしていなかった。どうせ、無視されるのだろうと思っていた。けれど、子供は「うん」と頷いた。

 

子供の返事も嬉しかったけど、自分が、自分の意志で悪口とマイナス思考をとめることが出来たのが何よりうれしかった。

怒りのコントロールはうまくいくときもいかないときもある。どうしても、悪口を続けたくなることも多い。

けれど、少しずつ減らして、その分、幸せや感謝をより多く感じられる自分になっていきたいと思う。