ルキンフォー

心理学・育児・発達障害のことなど学びつつ、ラクになれる生き方を模索中

我慢すること・その2

もう一つ、我慢していた話。

子供を産んでから半年ほどの間、私は義父にいじめを受けているような状態になっていた。

具体的にされたことについてはいずれ書こうと思うが、今はそのときの私の状態だけ。

 

まず、2ヶ月ほどで、子供と二人でいるときにポロポロと涙がこぼれるようになってきた。家族といるときは、酷いことを言われたりされたりしても、気を張って我慢しているので、一人(実際は二人だけど)になると気が緩んだのだろう。

4ヶ月経つ頃には、義父と話しているとき、顔だけ笑っていても、手が怒りでガタガタ震えるようになった。第三者が見たら、私の受け答えもとても平常のものとは言えなかっただろう。

5ヶ月後には、顔を見ること、声を聞くことも嫌になってきて、「池に落ちて、帰ってこなければいいのに」といったようなことが頭をよぎるようになってきた。

そして、6ヶ月後。

義父のある発言をきっかけに、母乳が止まった。

 

生後3ヶ月からミルクを飲まなくなっており、おなかをすかせて泣く子供を抱きながら、私は生まれて初めて考えた。

私は何のために、我慢してるんだろう?

義父に酷いことをされても我慢していたのは、家族の仲が良くないと、みんなを不幸にするからだと思ってきた。

でも、実際、こんなに耐えているのに子供は泣いている。

夫や義母にもあまり義父の悪口は言わないようにしようとしてきてはいたものの、その分、育児の愚痴でしょっちゅう怒ったり、泣いたりしていた。

実家に戻る度につらそうにしている私を、両親はいつも心配している。

あれ、義父一人が良い思いしてるだけで、みんな、私と一緒につらい思いをしてるじゃない?

 

それまであまり実家には帰らないようにしていたのだが、「ストレスで母乳が止まったから、実家に戻る」とだけ言い残して、すぐに家を後にした。

いじめを受けない環境に移り、ひたすら考えた。

実際、精神的な苦痛が身体にまで出てきている。うつ病になったりする可能性だってないとは言えないだろう。

その場合、病気の私と子供の世話が、夫や義母にかかることになる。専業農家の我が家では、仕事の時間を大幅に削られることになるだろう。

今は赤ちゃんのこの子も、やがて大きくなる。そのとき、私がうつ病だったら?

元気だったとしても、毎日、私が義父に我慢しながら憎しみをつのらせているのを見て、どう感じるだろうか?

義父はきっと、何もしないし、責任を感じることも反省することも一切ないだろう。

 

結局、その後、まず、一番してほしくないことを本人に伝えた。が、約束した数日後に、あっさり破られた。

そのときの私には、更に何度か伝え、相手の改善に付き合う気力はもうなかった。

夫と義母に、今までのことを説明し、顔も見たくないくらい嫌いだから、金輪際関わりたくないと伝えた。

驚くほどあっさりと二人が同意してくれ(日頃の行い、ということだ)、それから3年半、私は一切義父と口を聞いていない。

義父のいる時間にはその部屋には行かないし、ばったり会ってもいないかのように無視して、立ち去る。

嫌なことは散々されたけど、助けられたことは全くないので、いなくて困ることは一つもない。

変わったことは、毎日泣かずに済むようになったことだけだ。

 

これを読んで、そんな極端なことしなくても、という人もいるかも知れない。できるならば、気付かれない程度にフェードアウトしていくのが最良なのだろうと私も思う。

そのためには、もっと早く気づく必要があった。

けれど、これは、生まれて初めて我慢を手放した経験なので、本当に本当に沢山のことを学んだと思う。